公益社団法人 熊本県トラック協会

お知らせ

2019年09月20日

飲酒運転根絶に向けたトラック運送業界の取組みの強化について

 標記の件につきまして、国土交通省の事業用自動車事故調査委員会が特別重要調査対象事故として調査した大型トラクタ・バンセミトレーラの衝突事故(平成29年11月22日発生)に係る調査報告書が、令和元年8月2日に公表されました。

 同報告書では、当該事故惹起運転者が、運行経路上にあるフェリー乗船中に飲酒し、フェリーを下船する際には点呼を受けることもアルコール検知器で検査をすることもなく運転を開始しており、同事業者の運転者の問では、フェリー乗船中の飲酒が常態化していたこと、飲酒運転の抑制に関しての運行管埋が形骸化していたこと、などが指摘されました。

 また、本年5月23日には、今年に入り、飲酒を伴う事業用トラックの事故が既に10件にも達していることを踏まえ、国土交通省から「事業用自動車の運転者に対する飲酒運転の防止等法令遵守の徹底について」の通達が発出され、再発防止策として、運転者の飲酒状況を把握するとともに、日常的に飲酒する習慣がある運転者に対しては、遠隔地の点呼において確実に酒気帯びの有無を確認できる機器を用いるなどにより管理すること、などの徹底を要請されました。

 さらに、報道によると、本年8月8日には大阪府堺市内において、自転車乗車中の小学6年生の女子児童が大型トレーラにひき逃げされ、当該自転車は事故現場からおよそ1キロ離れた場所に放置され、逮捕された当該事業用トラック運転者の呼気からアルコールが検知されたとのことです。

 こうした事業用トラック運転者による飲酒運転事案は、トラック運送業界の社会的信頼性を著しく失墜させるばかりでなく、これまでに築き上げてきた、荷主はもとより社会全休からの信頼関係をも根底から崩壊させかねない悪質な行為であり、トラック運送業界としても、飲酒運転根絶に向け関係者一丸となった再発防止対策に積極的に取り組む必要があります。

 これらを受けて、全日本トラック協会においては、以下の取り組みを行うことを決議しております。
 会員事業者様におかれましては、運行管理者の方を中心に、業界からの飲酒運転根絶に向けた取り組みを、さらに強力に展開していただきますようお願いいたします。

①各事業所においては、乗務前後の対面点呼時はもとより、対面でなく電話その他の方法で行う点呼の場合においても、アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認が確実に行える点呼実施体制が確立できているか再確認し、必要に応じた見直しを行う。

②各事業所においては、全ト協が作成した「飲酒運転防止対策マニュアル」(改訂版)を活用し、アルコール検知器の携行、酒気帯びの有無の測定方法及び測定結果の確実な報告等について、運転者等への指導を徹底する。

③各事業所においては、交通安全運動等の機会をとらえ、事業用トラックが関係した飲酒運転事故事例を周知するなどして、運転者に対する飲酒運転根絶意識の徹底を図る。